Freeflow®️は、高齢社会で増加が見込まれる排尿障害の診療を手助けする新しい発想の測定デバイスです。
高齢者の多くが直面する、トイレの悩み。60歳以上の78%が問題を抱えています
人口減少とともに高齢社会がどんどん進む日本は、2025年には65歳以上の高齢者が人口の30%を越えると予想されています。その高齢者の多くの方が、排尿障害、いわゆるトイレの悩みを抱えています。
実は、「おしっこが近い」「夜間にトイレに起きる」「もれる」「勢いがない」「時間がかかる」など、トイレの問題(排尿障害と医学的には呼びます)で悩んでいる人が、たくさんいらっしゃるのです。
日本排尿機能学会の調査によると、夜間頻尿がある人は4,500万人、昼間頻尿は3,300万人、おしっこに勢いがない人は1,700万人、おしっこがもれる人は1,000万人います。いずれの症状も年をとるにしたがって増え、60歳以上では78%が何らかの排尿の問題を抱えていることが報告されています(排尿に関する疫学的研究、日本排尿機能学会誌 14(2), 266-277, 2003)
デリケートな話題なのであまり広く知られていませんが、高齢者にとって「トイレの問題」は非常に重要な影響をもたらします。まず頻繁にトイレに行かなければならない状況になると、いつもトイレが気になってしまい外出がおっくうになります。外出が少なくなることが引き金になり、運動量が落ち、サルコペニアと呼ばれる体力低下を招いたり、太陽光を浴びることが少なくなって骨粗鬆症のリスクが増えたり。また、外に出て人と話したりする機会が減ることや、対応策として安易にオムツを使うことで認知症発症のリスクも高まる、といわれています。トイレの悩みは、皆さんが思う以上に生活全体に悪影響を及ぼしてしまうのです。
「受診しづらい」「検査で緊張する」というハードル
このように軽視することは決してできない排尿障害ですが、受診率は非常に低い率にとどまっています。とある都道府県の女性への調査では、尿もれを経験した人のうち受診した方はわずか8%、治療にいたった方はさらに少なくわずか5%だったそうです。尿もれに関して言えば、専門の医療機関にかかれば80%の方が良くなるといわれていますので、まずは病院に行き治療を受けていただくことがとても大切です。
しかしここで2つの大きなハードルが立ちはだかります。ひとつめは「泌尿器科に行くのが恥ずかしい」という患者さんの思いです。「トイレの悩み」自体、知り合いはおろか、お医者さんにも知られたくないかなりデリケートなことですし、病院に行けば他の患者さんにも会ってしまうのですから、できれば病院には行きたくないというのが本音でしょう。
ふたつめは、その病院での検査が場合によっては非常に心理的に負担のかかる内容であることです。特におしっこの勢いを調べる検査などですと、診察室の横や奥といった、スタッフがそばにいるような中でしなければならないケースも少なくありません。隔離されている場合ももちろんありますが、病院によりけりで、カーテン1枚ということもあります。
病院に行くだけでも恥ずかしいのに、このような環境で検査を受けなければならない。本人が感じる心理的負担は相当なもので、うまく検査ができないことも少なくないそうです。この状況は、治りたい患者さん、治したい医療者の方の両方にとって、あまりよい状況とはいえないものでした。
自宅で、衛生的に、正確に計測できるポータブル尿流量計 Freeflow®️
「病院でなくても、自宅で正確に検査ができ、データは自動で主治医に送られて、適切に管理できるような機器があれば患者さんの尊厳も守られ、治療としても質が上がる」
日本赤十字医療センター病院長で、長年泌尿器疾患の治療を専門とされ、かつて東京大学大学院泌尿器外科学教授として尽力されるなど、日本の泌尿器疾患治療をリードしておられる本間之夫先生は、課題を解決するあたらしい計測デバイスの開発に熱意をお持ちでした。
先生のお考えに深く感銘を受けた機器メーカー「ゼオシステム」が、先生とともに二人三脚で開発したのが、データを送信できるポータブル尿流量計「Freeflow®(フリーフロー)」です。
Freeflow®は大きさも小さく持ち運びが可能な、尿流量の測定器です。検査データもBluetoothでパソコンの対応ソフト(Windows版)へ送信可能です。Freeflow®️を活用すれば、例えば、医療機関で検査方法を簡単にレクチャーしたあと自宅で数回患者ご自身で尿流量検査をしてもらい、医師は後日そのデータをパソコンで確認し評価することも可能となるのです。
患者さんにとっても、病院で検査を受けなくても、リラックスできる自宅で測定ができるメリットは相当に大きいと考えます。
Freeflow®️の測定精度、既存機器との相関係数0.98
測定精度についてですが、Freeflow®️による排尿量の検査結果と、既存の尿重量検査の相関係数は0.98となり、十分な精度であることが確認されています。試験された横浜市立大学医学群 健康社会医学ユニットの山末耕太郎特任講師は「尿流量検査は病院で1回検査しただけではまったくわからず、自宅で数日間行ってよくわかるということです。自宅でも昼間の食事、水分のとり方、運動等で私の夜間の特性がかなり違うことがわかりました。Freeflow®️は在宅で使用できることで、大きなメリットがあると思います。」と述べています。
また「Freeflow®️」は医療機器認証(クラスI)もすでに届け出ており、機器としての信頼性、安全性も確保されています。米,英、仏、独、日での国際特許も取得済です。
製品仕様はこちらをご覧ください。